皿の下げ方で人生を考える
タイトルちょっと大げさ
57歳、元スーパーの店長。25年間勤めたスーパーを退職し、ただいまタイミーやら声をかけてもらった場で色々と体験中。
今回の舞台は、声をかけてもらった、とあるゴルフ場。仕事はレストランでの食器の片付けやグラス洗い。
実はここ、初めて働いたときの印象がなかなかよかった。景色もいいし、仕事内容もそれほど難しくない。なのでお声がけしてもらって2つ返事でお願いすることに
57歳、まだまだ需要があるじゃないか!
ところが。人生、そう簡単にはいかないのである。
現れたのは、水色おばさん。
今回も、せっせとお皿を片付ける私。
主任さんからは、「自分の思うように下げていいですよ」と言われていた。
ありがたい。自分で考えて動ける。
何しろ私、25年間スーパーで働いてきた女である。状況を見て動くことくらい、できますとも。
……と思っていたら。
現れました。水色おばさん。
この方、とにかく皿の下げ方にこだわりがあるらしい。
ああしろ。こうしろ。それは違う。何とも細かい。
いや、教えていただくのはありがたいんですよ。初めての職場なんだから、そこのやり方もあるでしょう。
でもね。
何回言うねーーーん!!(笑)
こちらが仕事をしている間も、ネチネチ、ネチネチ。
そして、とうとう。
「これをこんなに置けば、洗いのおばさん達が大変でしょ!」
……。
さすがに私も言い返した。
「私が出しますから!」
別に喧嘩を売っているわけではない。洗う人が大変だというなら、自分で運ぶ。それだけの話である。
ところが、何だろう。この、何とも言えない気持ちは。
私は今、皿の下げ方ひとつで、こんなに言われているのか。
57歳。元スーパーの店長。ただいま、皿の置き方で指導を受けております。
……いや、肩書きは関係ないんですけどね!(笑)
主任さんの衝撃のひと言
そんな中、主任さんから言われた言葉がある。
「あの水色がうるさいですけど、気にしないで」
……。
水色?
水色って!!(笑)
名前じゃないんかーーい!!
どうやら、あの方は主任さんからも「うるさい」と認識されているらしい。
しかも、名前ではなく服の色で表現されるという、なかなかの存在感。
なるほど。私だけが気にしすぎているわけではなかったのか。
それにしても。
主任さんは「自分の思うように下げていい」と言う。水色おばさんは「ああしろ、こうしろ」と言う。いったい、どっちの指示に従えばいいんですかーー!
皿を下げるだけなのに、なぜか複雑な人間関係に巻き込まれる57歳。
スーパーを辞めても、職場にはいろんな人がいるものである。
笑い話にできない気持ちもあった
こうして書いていると、なかなか面白い。水色おばさん。名前だけでも、もう面白い。
でも、あの日の私は、笑ってばかりいたわけではない。
正直、惨めだった。
25年間、一生懸命働いてきた。正社員になり、責任ある仕事も任され、最後は望んでもいなかった店長まで経験した。
本当は65歳まで働くつもりだった。それが、いろいろあって退職。辞めた直後は、ずいぶん落ち込んだ。朝起きる意味さえわからなくなった時期もあった。ようやく生活を立て直し、少しずつ外に出られるようになり、タイミーで仕事を始めた。
そんな私が今、皿の下げ方をネチネチ言われている。
別に、店長だったから偉いなんて思っていない。どんな仕事も、きちんとやるつもりだ。
わからないことは教えてもらう。間違っていたら直す。それは当たり前。
でも。
だからといって、何を言われても黙って頭を下げなきゃいけないのか?そんなことを考えてしまった。そして、心の中でつぶやいた。
落ちぶれてたまるかよ。
私はもう、便利屋にはならない
思えば、スーパーで働いていた頃の私は、何でも引き受けていた。
頼まれれば断れない。困っている人がいれば自分が動く。気づけば、責任も仕事もどんどん増えていった。
その結果、望まない店長の仕事まで背負うことになり、長年続けるつもりだった正社員の仕事を辞めた。
だからこそ、今は思う。
もう、何でも引き受けるのはやめよう。必要以上に下手に出るのもやめよう。
タイミーだからといって、何を言われても我慢する必要はない。
もちろん、仕事はきちんとする。でも、それ以上のものまで背負うつもりはない。
便利屋扱いされるのは、もうごめんである。
これからは、「来てもらってありがたい」そう思ってもらえる働き方がしたい。
そして私自身も、「今日も働いてよかった」そう思える場所で働きたい。
57歳。まだまだ、働き方の勉強中である。
それにしても、水色おばさん。
帰ってから、ふと思い出す。
「あの水色がうるさいですけど、気にしないで」
……。
やっぱり笑ってしまう。
水色って、何やねん!
あの日は惨めな気持ちにもなった。でも、今こうして文章にすると、立派なブログのネタになっている。
人生、何が役に立つかわからない。
25年間のスーパー勤務。そして57歳からのタイミー生活。いろんな人に出会う。優しい人もいる。ありがたい人もいる。
そして、ときどき水色もいる。
いや、水色に罪はないんですけどね!
さて、次の仕事はどうなることやら。
57歳、元スーパー店長。まだまだ社会見学は続く。
ただし。
皿の下げ方については、できれば主任さんと水色おばさんで意見を統一しておいていただきたい!(笑)
タイミー奮闘記、つづく
