57歳 19歳の先輩に教わる
新しいゴルフ場でのタイミー。事前の下見も済ませ、道に迷う心配はない。問題は、やはり人間関係である。
何しろ私は、以前のゴルフ場で「水色おばさん」という強烈な人物に遭遇している。今回もいるのか。いや、いるだろう。長年の接客経験がそう告げている。……もっとも、まだ誰にも会っていない。完全に私の偏見である(笑)
さて、今回の職場。私に仕事を教えてくれたのは、なんと19歳と26歳の女の子だった。57歳のおばちゃん、19歳の先輩の下で働く。人生、何が起こるかわからない。
ところが、この小娘ちゃんたち。優しい。とにかく優しい。 こちらが恐縮してしまうほど優しいのである。
あれ? こんなに優しくされていいのか、私。
前のゴルフ場では皿の下げ方ひとつで、あれこれ言われたというのに。同じゴルフ場でも、ずいぶん違うものだ。
仕事はバッシング。つまり、お皿を下げる係。
お客様が食事を終えたあとの食器を片づける仕事。ところが、最初は暇だった。当然である。お客様が食べ終わらないことには、皿が下げられない。
まだ食べているお客様のお皿を下げるわけにもいかない。それでは、ただの迷惑なおばちゃんである。
しばらくすると、少しずつ仕事が出てきた。食器を下げる。また下げる。ひたすら下げる。途中、配膳が少し忙しくなったらしく、「これ、何番にお願いします」と頼まれたこともあった。でも、全体としては慌ただしいほどではなかった。
そして気づけば、バッシングは最初から最後まで私一人。19歳と24歳の小娘ちゃんたちは、バッシングには来なかった。ちらっと見る限り、手が空いているような時間もあった。
でも、私はそれでよかった。なぜなら。
誰も、私の皿の下げ方に文句を言わないのである!
これだよ、これ!
以前のゴルフ場では、皿の下げ方、置き方、運び方。何かにつけて口を出してくるおばさんがいた。主任さんからは、自分の思うように下げていいと言われていたのに、である。
ところが今回は。何も言われない。あれこれ指図されない。自分で考えて、自分のペースで仕事ができる。
なんと快適なことか!!
25年間スーパーで働いてきた。皿を下げる仕事は初めてでも、周りを見て動くことくらいはできる。いちいち横から言われるより、任せてもらえるほうがずっといい。
小娘ちゃんたちは、テキパキと走り回るタイプではなかった。57歳のおばちゃんから見ると、もう少し動けるんじゃない?と思う場面もあった。でも、そんなことはどうでもいい。
優しく教えてくれて、余計な口出しをしない。私にとっては、それが何よりありがたかった。
ところで、水色センサーは?
さて、出勤前から警戒していた水色センサー。今回は、まったく反応しなかったのか。
いや。ピピッ。
配膳と洗い場のあたりで、わずかに反応あり!
「ほらほら、さっさと持っていって!」そんな空気を漂わせる、おばちゃん特有のあの感じ。ただし、何か大事件が起きたわけではない。私自身、直接嫌なことを言われたわけでもない。あくまで、長年の経験で察知した雰囲気である。
そして何より、そのおばちゃんは洗い場側。私はバッシング担当。
生息区域が違うのである!
これはありがたい。同じ職場にいても、直接あれこれ言われなければ、こんなに気楽なのか。
水色センサーは微反応。しかし、本日の勤務に大きな影響なし!
57歳、若い先輩の下で働くのも悪くない。
仕事を終えて思った。また来てもいいな。いや、むしろ、また来てみたい。仕事そのものは難しくなかった。ものすごく忙しいわけでもなかった。そして何より、19歳と26歳の先輩たちが本当に優しかった。
57歳の私が、19歳の子に仕事を教わる。以前の私なら、そんな未来を想像しただろうか。25年間同じスーパーで働き、最後には店長まで経験した。それが今では、行く先々で新人である。
でも、悪くない。肩書きも年齢も関係なく、教わることは教わればいい。そして、任された仕事をきちんとする。それだけでいい。
誰かの機嫌まで取る必要はないのだ。
今回のゴルフ場。なかなかいい出会いだった。ただし、ひとつだけ。洗い場のおばちゃんとは、今後も適度な距離を保ちたいと思う。
水色センサー、引き続き監視中!
57歳、元スーパーの店長。新しい職場で、またひとつ発見があった。
若い子の下で働くのも、案外いいもんだ!
次回につづく。
